月の見かけの大きさは時間とともに変わるのか?地表付近に見える月は小さい?

質問投書箱(月の見かけの大きさは変わらないとありますが、絶対地面近くに見えるほうが大きいと思います!)

ふみみ「あらあら、反論が来ましたよ」

たぬぬ「根拠が書いてないので反論ではありません」

ふみみ「またそういうことを言う」

たぬぬ「せっかくなので見かけの大きさを計算してみましょう」

ふみみ「そんなことができるのですか?」

たぬぬ「こんな感じで計算してみましょう」

たぬぬ「大きく見えるものは『角度が大きく』、小さく見えるものは『角度が小さく』見えます。ここまではいいですか?」

ふみみ「あ、はいOKです」

たぬぬ「では計算してみましょう。計算に使う距離などは以下のようになっています」

計算に使う距離など
地球と月の距離:38万km
地球の直径:13000㎞
月の直径:3500km

たぬぬ「では計算に入ります。まずは、月が南中(一番高いところにある)の位置にある時を考えます」

たぬぬ「都合上、月の半面が全部見えていることとします」

たぬぬ「三角関数を使いました。詳しい計算は省略します」
たぬぬ注)アークタンジェントを使いました。

たぬぬ「これにより、月を見るときの角度は0.5368°となります」

ふみみ「恐ろしく小さい角度ですね」

たぬぬ「わかりにくいので後で例を挙げますよ」

たぬぬ「そして、次は月が出る時・入る時を考えます。月を見ている位置は、『昼から夜』もしくは『夜から朝』になる時なので、図の位置となりますね。この位置から月までの距離を出します」

たぬぬ「ということで、『380055.6km』となりました」

ふみみ「意外と距離は変わらないんですね」

たぬぬ「では、この位置から月を見た時の角度を計算します」

たぬぬ「同じように直角三角形を作って…」

たぬぬ「これにより、月の出・月の入りのときの角度は0.5276°となりました」

ふみみ「ちょっと角度が小さくなりましたね」

たぬぬ「はい、月の大きさは変わらず、距離が離れたのでその分小さく見えるんですよ。だから角度も小さくなる」

ふみみ「ちょっと待ってください。ということは見かけの大きさは変わっているということですよね」

たぬぬ「はい」

ふみみ「簡単に距離だけでも説明できますよね」

たぬぬ「まぁ、そうなりますね。でも、ちょっと実感がわかないですよね」

ふみみ「確かに」

たぬぬ「だからちょっと手間をかけて計算してみました。これを見てください」

たぬぬ「これはさっき計算した角度を使って、1m離れたところにあるものが、どのように違って見えるか計算したものです」

ふみみ「計算過程は省略…ですね」

たぬぬ「計算上、1m先の壁に『直径9.37mmの円』『直径9.21mm』の円を書いたものがちょうど空を見上げた時の月の見かけの大きさと一致します。

ふみみ「その差、0.16mmですか。これは見ただけではわかりませんね」

たぬぬ「そう、そんな微妙な差。まぁ、誤差の範囲で考えてもらってもいいでしょう」

ふみみ「ということは、月の見かけの大きさはほぼ一緒で、むしろ『地面に近いほうが小さい』んですね」

たぬぬ「はい、すべては目の錯覚のため起こることなんです」

ふみみ「数字で示されると納得せざるを得ません」

たぬぬ「ま、それでも『大きく見える月』をたまに見るとロマンを感じますけどね」

ふみみ「言葉にちょっとトゲを感じますが…とりあえずは終わりましょう」

たぬぬ「ありがとうございました」

★今日のまとめ
・実は地面近くにある月のほうが、見かけ上『小さい』
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コメント

  1. まなみ より:

    数学的なことはわかりませんが、数学的に月の大きさは一緒ということで理解してよろしいのでしょうか?

  2. 錯覚怖い より:

    むしろ低い位置にある月のほうが小さく見えているはずなんですね。錯覚って怖い。

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