地理で出てくる二つの漁業『養殖漁業』と『栽培漁業』。その違いは何でしょうか?また、どのようにして覚えると忘れにくくなるかを考えていきましょう。
「養殖漁業」と「栽培漁業」の違いは?
キーワードは『一度でも自然界に戻すか』です。自然界に戻すというのは、川や海に『放流する』ということです。
「放流しない」のが「養殖漁業」
今回は、これまでの生活の中で得たであろう知識を使って理解していきます。
まずは、テレビ番組などで、『養殖業』を営む人の話を思い出してください。
おそらく、こんなやり取りを一度は目にしたことでしょう。ポイントは養殖業の人の最初の会話『もう出荷できる』です。
ではもう一つ、『近大マグロ』をニュースで聞いたことは無いでしょうか?
関西にある近畿大学は長年マグロの養殖の研究をしており、その結果、マグロの『完全養殖』を成功させました。
また、数年前にはウナギの『完全養殖』の成功もニュースになりました。
ここで、注目して欲しい言葉が『完全養殖』。完全養殖という言葉は、『卵から出荷まで育てた』という時に使われます。やはり『出荷』という言葉が使われていますね。
さて、『養殖』という言葉のイメージは出来たでしょうか?
『養殖漁業』というのは、『出荷まで育てる』やり方なのです。
「放流する」のが「栽培漁業」
では、『栽培漁業』はどうなのでしょう?
このように、『栽培』という言葉には『植物が対象』という意味合いが強くこめられているのです。
そして、野菜などの『栽培』はそのまま『出荷』してしまいますね。
このイメージがあるから、中学生は混乱してしまうのです。野菜などに使われる『栽培』と漁業で使われる『栽培』は違うのです。
では、なぜ『栽培漁業』なるものがあるのか?
自然界では『卵や稚魚』というのは、他の魚にとって格好のエサなのです。
だから、人間がある程度大きくなる(エサになりにくい大きさ)になるまで育てた上で、後は自然界に任せるのです。
栽培漁業をしている代表的な魚には、『鯛』や『ヒラメ』があり、魚ではないですが『サザエ』もそうです。
覚え方のコツ
養殖漁業と栽培漁業の違いは『自然界に戻す』かどうかで判断できるということがわかりました。
日本語はよくできているもので、『漢字』からある程度の意味は推測できてしまいます。
『養』という漢字には「育てる・やしなう」といった意味があることから、『出荷まで育てる』という意味合いが出てきます。
似たような意味がある言葉を覚えるときは、片方を完璧にするといった覚え方があります。
『養殖漁業』を完璧に覚えたら、『栽培漁業』は違う方、つまり『途中で自然界に返す方』と覚えられるわけです。
※他の例でいうと、歴史の『最澄』と『空海』など
まとめ
似たようなものが二つあったので、勉強の効率も考えて『片方だけを完璧にする』という手段を使いました。
『出荷まで育てるのが養殖漁業』と覚えておいたら、単語の知識で似たものに『栽培漁業』があるとわかりますし、『出荷まで育てない』とポイントを切り替えることで栽培漁業の説明も出来ます。
この考え方が出来ると、社会や理科の暗記部分がはかどるようになり、何回もやってると自然と両方できるようになります。がんばってください。
人物イラスト提供:アイキャッチャー様
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