・古いOfficeソフトはサポートが切れています。
・レジストリの設定変更はパソコンに深刻なダメージを与えることがあります。
・古いOfficeを現在のWindowsで動かすことは想定されていません。
その他のリスクも含めて作業は自己責任でお願いします。
古いOfficeを使いたい。特にエクセルでマクロを組んでいるものは、現在でも不意に使いたくなったりするものです。
そんなとき、ある程度のトラブルを覚悟をしながらも現行windowsにインストールすることはあるでしょう。
そんなトラブルの一つ「使用許諾契約書の同意」を毎回求められる現象について解決しましたので、自身の備忘録としてここに残したいと思います。
Windows10(64bit)にOffice2003をインストールした
インストールCDを入れても自動実行はしませんでした。
そこで、直接実行ファイルを起動させインストールしたところ、特に問題もなくインストールできました。
その後、ライセンス認証も問題なく通り、起動まで確認が出来ました。
ただ、本命だったoffice2000はインストールできませんでした。
使用許諾契約書の同意を毎回聞かれる
初回起動時に「使用許諾契約書の同意」をしたのですが、特にエクセルを起動するたびに毎回同意を求めるウィンドウが出てきます。
毎回「同意」をクリックすれば問題ないのですが、面倒くさいこともあり対処することにしました。
解決方法
解決方法としては「レジストリ」と呼ばれる場所の設定を変更します。
レジストリ (registry) は、Microsoft Windows オペレーティングシステム(OS)で用いられている設定情報のデータベースである。
出典:ウィキペディア レジストリの項目
ここはwindowsの基本的な情報などを含みますので、変更には十分な注意が必要です。
レジストリ設定の変更
レジストリの変更には「レジストリエディタ」を使用します。
windowsに標準で入っている機能です。
前にも書きましたが、OSに深刻なダメージを与える可能性もありますので必ずバックアップ(設定のエクスポート)を行ってください。
レジストリエディタの起動
画面左下の「windowsボタン」をクリックして、「システムツール」内の「ファイル名を指定して実行」をクリックします。
画面左下あたりに「ファイル名を指定して実行」というウィンドウが出てきますので、「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
起動前に「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか」と聞かれますので「はい」をクリックします。
設定のエクスポート
レジストリエディタが起動したら、まずデータのエクスポートをします。「ファイル」から「エクスポート」をクリックします。
続いて任意のフォルダにエクスポートします。ファイル名を入力して「保存」をクリックします。
アクセス許可を与える
私の環境は、64ビットwindows10にOffice2003をインストールしています。
この場合は、以下の場所(サブキー)まで移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Wow6432Node\Microsoft\Office\11.0
ここで左クリックをして「アクセス許可」をクリックします。
その他のOSやOfficeのバージョンだと以下の通りになります。
32ビットwindowsの場合
★Office2010
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\14.0
★Office2007
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\12.0
★Office2003
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\11.0
★Office2002
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\10.0
★Office2000
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\9.0
64ビットwindowsの場合
★Office2010
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Wow6432Node\Microsoft\Office\14.0
★Office2007
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Wow6432Node\Microsoft\Office\12.0
★Office2003
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Wow6432Node\Microsoft\Office\11.0
★Office2002
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Wow6432Node\Microsoft\Office\10.0
★Office2000
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Wow6432Node\Microsoft\Office\9.0
次のウィンドウでは、まず上のボックスから「Users」を選択します。
次に下のアクセス許可のボックスで「フルコントロール」の「許可」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
この後、もう一度設定をするので、レジストリエディタは閉じないほうが手間が省けるでしょう。
Officeの使用許諾契約書に同意する
レジストリの設定を変更したら、一度Officeを起動します。
そのうえで使用許諾契約書に同意してください。これが最後の同意になります。
レジストリ設定の変更を元に戻す
先ほど与えたアクセス許可の「Users」のアクセス許可「フルコントロール」につけたチェックを外して「OK」をクリックし(元の状態に戻す)、レジストリエディタを終了させます。
まとめ
以上の作業を完了させると、毎回出ていた「使用許諾契約書の同意」画面は出なくなるはずです。
しかし、そもそもが想定されてもないし、サポートもされていない環境なので、一番いいのはやはり最新のOfficeを使うことですね。
セキュリティーの面からもおススメ出来ませんので、設定は自己責任でお願いします。
人物イラスト提供:アイキャッチャー様