『霧』と『もや』の違いは?『かすみ』とは?

たぬぬ「さてみなさん、今日は『もや』が発生していたのを知ってましたか?」
生徒「『霧』じゃないの?」
たぬぬ「はい、今日のは『もや』なんですよ」
生徒「夕方にも『もや』が出るんですか?」
たぬぬ「というと?」
生徒「『朝もや』とか『夜霧』って言うから、朝が『もや』で夜が『霧』だと思ってた」
たぬぬ「いい言葉を知っていましたね。でも、朝でも夜でも『霧』『もや』は発生します」
生徒「何が違うの?」
たぬぬ「簡単に言うと、『見通せる距離』です。1km先のものが見えなかったら『霧』、見えたら『もや』ですね」
生徒「そんな決まりがあるんだ」
たぬぬ「気象用語です。気象庁では次のように定義されていますね」

霧 :微小な浮遊水滴により視程が1km未満の状態
もや:微小な浮遊水滴や湿った微粒子により視程が1km以上、10km未満となっている状態視程:水平方向での見通せる距離。音声伝達では「見通し」を用いる。
リンク:気象庁

生徒「『微小な浮遊水滴』って?」
たぬぬ「中2理科でやった『飽和水蒸気量曲線』を思い出してください。露点に達したら水滴が現れましたね」
生徒「うん」
たぬぬ「その水蒸気が、空気中のチリなどにくっついて水滴になるんですよ。ちっちゃいから浮遊しちゃうんですね」
生徒「あれ、それって『雲』のでき方じゃないの?」
たぬぬ「そうです、『霧』『雲』もできる原理はいっしょなんですよ」
生徒「あー、で、その水滴が多かったら『霧』で少なかったら『もや』になるんですね」
たぬぬ「大雑把に言ってその通りです」
生徒「たまにダムの近くで真っ白になるあれは?」
たぬぬ「あれは『濃霧』といって、その名の通り『濃い霧』です。地上では視程200m以下の時をいいますね」
生徒「『霧』って感じがしますね」
たぬぬ「イメージは大事ですよ。『濃い霧』って表現はあっても、『濃いもや』ってのはないですから、濃い方が霧ですね」
生徒「じゃあ、『かすみ』って何?」
たぬぬ「『かすみ』は気象用語ではないんですよ。これは空気中の水滴や煙やほこりが原因で視界がくもることです」
生徒「天気予報とかには出てこないの?」
たぬぬ「出てきませんね。水滴が原因だったら『もや』、煙やほこりなら『煙霧』などと言われます。では、そろそろ授業を始めましょうか」
生徒「はぁい」

★今日のまとめ
・霧ともやの違いは『見通せる距離』の違い
・霧ともやの正体は空気中の小さな水滴
関連コンテンツ



スポンサーリンク




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク




コメント

  1. かずさ より:

    濃霧という言葉で、濃い方が霧と覚えられました。

    • jhs-teachers より:

      日本語は便利で、普段何気なく使っている言葉から意外な知識を得ることができます。
      そういえば!って気づくことが大切なんですよ。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。