扇形の面積の出し方と特殊な場合の公式

前回、扇形の弧の長さを紹介しました。

中学1年生の3学期あたりでしょうか? 図形の問題が出てきたときに皆さんが思うことは…… 「『π』ってめっちゃ便利やん!」 では...

今回は扇形の面積です。

とは言っても、基本はこの長さと同じ考え方なのですが、与えられている値によってはより便利な公式があります。

扇形の面積の公式

まずは公式を見てもらいましょう。

この通り、円の面積をまず出して、円を360分割し、中心角分を集めてます。
弧の長さを計算するときと同じですね。
つまり、弧の長さを出すことが出来たなら面積も出せるということです。

計算のコツ

ただ、ここで覚えておいてほしい計算のコツがあります。
公式の性質上、”r”は2乗と表記していますが、これを敢えて”r×r”の形で書くのです。
そう、「約分」を有効活用します。
例題で試してみましょう。

例:半径12cm、中心角100°の扇形の面積を求めよ。

真面目に解こうとすると……

S=π×12×12×100/360

として、”12×12=144”を計算してしまいがちです。
問題はありません。頑張ったら解けます。
でも約分を利用すると次のようになります。

このように、公式が2乗だからといって、素直に2乗する必要はないのです。
約分の活用。この戦法を知っているだけで計算が楽になり正答率もあがります。

弧の長さと半径がわかっている場合

扇形の面積の問題では大抵「半径」と「中心角」がわかっています。
別のパターンとして、「半径」と「弧の長さ」から計算するような問題もあります。
コチラは普通に解こうとすると結構大変です。
ただ、普通の解き方の方も、大事な考え方などが多いので、まずマスターしてください。

例題:半径6cm、弧の長さ4πcmの扇形の面積は?

普通の解き方手順
1.「半径」と「弧の長さ」から「中心角」を出す。
中心角を”a”とすると公式より……
2π×6×a/360=4π
これを”a”について解くと “a=120″。
中心角は120°となる。

2.「半径」と「中心角」から面積を出す。
S=π×6×6×120/360=12π

手順1の中心角を求める問題もよく出されるので出来るようにしておきましょう。

半径と弧の長さから面積を出す公式

超特殊な場合

最後に超特殊な場合……

実は扇形の面積は「弧の長さ」と「半径」から出す公式があります。

この公式を使うと以下の計算で面積が出てしまいます。

S=1/2 × 4π×6=12π

公式を導いてみる

この公式が導き出される過程は、図解を使って教科書にも載っています。
図を使っているので直感的にわかりやすいでしょう。
今回は数式で証明してみます。

なお、覚えるときに便利な方法を一つ。
「扇形の基本的な形って三角形ぽいな」でOKです。
つまり、「弧の長さ」が「底辺」、「半径」を「高さ」と考えるのです。

教科書に載っている図解も、似たような考え方をしています。

さいごに

便利な場合の公式……いつ使うんだろう?使わなかったら忘れそう。
こんな言葉をよく聞きます。
「いつ使うの?」→見極められるようになりましょう。
「使わなかったら忘れそう」→正解です。忘れます。

そう、使わなかったら「忘れて」しまうんです。
だから、気合入れて覚えろ!とは強く言いません。
ただ、「使えそう」という問題に出会ったらせめて「なんか簡単な公式があったような……」くらいは思い出してください。

大事なことは、「公式を使わなくても解ける」ことと、「復習」すること。
「公式がある」と思い出せただけで十分です。
そこからもう一度公式を学習し、積み重ねることで自分のモノと出来るでしょう。

少なくとも、定期テスト対策などでは気合を入れて覚え、受験までに復習を繰り返して定着させましょう。

かなな先生
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人物イラスト提供:アイキャッチャー様

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