円すいの側面積と展開図の中心角

例題:底面の半径が6cm、高さが8cm、母線の長さが10cmの円すいがあります。
(1)体積を求めなさい。
(2)展開図にしたときの、扇形の中心角を求めなさい。
(3)円すいの側面積を求めなさい。
(4)円すいの表面積を求めなさい。

中1の図形問題の中でも正答率の低いこの問題。
実は、結構簡単に解けてしまうのです。
今回は、基本的な解き方と、便利な公式を使った解き方を紹介します。

基本的な解き方

まずは基本的な解き方です。
「出来るよ!」とか「簡単な解き方を知りたい!」って人は飛ばしてください。

1.体積を求めなさい。

「すい」の形なので、最後に”1/3″をかけるのを忘れないでください。

(体積)=(底面積)×(高さ)×1/3 より

(体積)=π×6×6×8× 1/3 =96π

特に問題はありませんね。
答えは「96π立方センチメートル」です。

2.展開図にしたときの、扇形の中心角を求めなさい。

最初に書いておきます。
この問題は「公式」を覚えたらすぐ解けます
下の方で紹介します。

まずは展開図を書いてみましょう。
一つポイントを挙げるとすれば、最初は「中心角を無視」することです。
つまり、中心角が何度であろうが、決まった形の展開図を描いてみましょう。

扇形の中心角を求めるために、扇形の「弧の長さ」を利用します。
「弧の長さ」は、もともと底面の円周にぴったりとくっついていたので、「(弧の長さ)=(底面の円周の長さ)」が成り立ちます。

底面の円周の長さは……

(円周の長さ)=2π×6=12π

この”12π”が「弧の長さ」にもなるので、次は中心角を”a”として……

2π×10×a/360=12π より a=216

これで、中心角は「216°」であることがわかりました。

3.円すいの側面積を求めなさい。

これも最初に書いておきます。
この問題も「公式」を覚えたらすぐ解けます
下の方で紹介します。

円すいの側面積は展開図の扇形の面積を求めればよいです。

先ほど中心角が216°と出しているので、普通に扇形の面積の公式を使ってみましょう。

(面積)=π×10×10×216/360=60π

または、「弧の長さ」を問2で出しているため、次の公式が使えます。

(扇形の面積)=1/2 ×(弧の長さ)×(半径)

扇形の面積の出し方を基本的な方法から、特殊な状況での便利な出し方まで紹介します。公式を一つ知っているだけで、驚くほど速く計算が出来る場合があります。

すると……

(面積)=1/2 × 12π×10=60π

 
※図の中心角はどう見ても”216°”ではありませんね。
この図は半径や中心角、弧の長さの情報を整理することが目的です。
あまり気にしなくていいです。

このようにして側面積は「60π平方センチメートル」であることがわかりました。

4.円すいの表面積を求めなさい。

ここまで来たら最後の問題は簡単です。

(表面積)=(側面積)+(底面積)なので……

(底面積)=π×6×6=36π より

(表面積)=60π+36π=96π

よって、表面積は「96π平方センチメートル」となります。
体積と同じ「96π」になっていますが、たまにこういうこともあります。

特殊な公式

さて、ここまで普通の解き方をしてきました。
学校の先生も授業で習ったことを確認するために、おそらく上のような出題をしてくるでしょう。
では、気になっている特殊な公式。
紹介するのは以下の二つです。

1.円すいの展開図の中心角を求める公式
2.側面積を求める公式

順に紹介します。

1.円すいの展開図の中心角を求める公式

ここで紹介する公式は、円すいのときにしか使えないものですが、覚えていると強力な道具となります。
底面の円周と展開図の弧の長さは一致しています。
ということは、半径が大きい方が扇形になりそうですね。
この公式は円の半径の比率を利用します。

その公式がコチラ

展開図にしたときの扇形の半径は、元の円すいで「母線」と呼ばれるところです。
これと、底面の半径の比率ですね。

先ほどの問題で考えてみると……

このように、比較的簡単に中心角が出てきます。

2.側面積を求める公式

先ほど、「弧の長さ」と「半径」から簡単に出しましたが、もっと速い方法があります。
それは……

これだけでいいのです。
これを塾で教えると大体は「マジで!」と驚かれます。
それだけ、衝撃的な簡単さのようです。

実際に先ほどの問題でやってみると……

このように、一瞬で出てしまいます。
むしろ暗算でもできるレベルですね。

気を付けたいのは問題が「表面積」と言われている場合。
「底面積」を足し忘れてバツをもらってしまう人がたまにいます……(怒)

さいごに

円すいの問題は必ずと言っていいほど定期テストで出題されます。
誘導形式の問題になっているので、場合によっては計算過程も必要になります。
だから、普通の解き方をマスターしたうえで、公式は答え合わせで使うのがいいでしょう。

答えだけ書けばいい形式だったら?
ラッキーです。公式で解いてしまいましょう!
稼いだ時間は他の問題に費やすのです!

かなな先生
いつも応援ありがとうございます。
よろしければ、このボタンを押してください。
たぬぬの励みになります。よろしくお願いします。
にほんブログ村 教育ブログ 塾教育へ
にほんブログ村

人物イラスト提供:アイキャッチャー様

関連コンテンツ



スポンサーリンク




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク




%d人のブロガーが「いいね」をつけました。