質問投書箱(なぜ、0でわり算してはいけないのですか?)
ふみみ「そういえば、ダメとだけ教わったわね」
たぬぬ「じゃあ、そのダメな理由を説明しますね。」
ふみみ「お願いします」
たぬぬ「では大前提から。たし算やかけ算などの四則演算と呼ばれているものは必ず『一つだけ』答えがあるということ」
ふみみ「それってあたり前のことですよね」
たぬぬ「例えば『2+3』は『5』という答えが『一つだけ』あって、それ以外の答えはないですよね。また、『答えが求まらない』ってこともないですよね」
ふみみ「ひろろ先生が言っていた『数学の一意性』ですね」
たぬぬ「そうです。で、この一意性はいわゆる『たしかめ算』にした時も成り立つのです。例を挙げてみましょう」
たしかめ算:2×3+1=7
たぬぬ「これで、7÷3は間違えてないことがわかりますね。じゃあ、これ以外にたしかめ算の方法はあるでしょうか?また、たしかめ算で別の答えが出てくることはあるでしょうか?」
ふみみ「それはないですね」
たぬぬ「はい、まずはそれをわかっていただければOKです」
たぬぬ「それでは本題。なぜ『0でわり算をしてはいけない』のか」
たぬぬ「それは0でわり算をしてしまうと、この一意性が崩れるからなんです」
ふみみ「崩れちゃうんですか?」
たぬぬ「はい、例を挙げたらわかりやすいですね。『4÷0』に仮に答えがあったとしましょう。そうですね、答えを『a』としましょうか。『4÷0=a』ですね」
たぬぬ「では、たしかめ算をしてみましょう。この場合、『a×0=4』になればいいです」
ふみみ「あれ、これ『a』に入る数字ないですよね。」
たぬぬ「はい、たしかめ算で『答えがもとまらない』パターン。これを数学では『不能』と言います」
ふみみ「なるほど、だから『0で割ってはいけない』のですね。あれ、でも『0÷0』だったら答えはでるんじゃないですか」
たぬぬ「でますよ。でも、その答えのでかたがマズいんです」
ふみみ「・・・?」
たぬぬ「やってみましょう。『0÷0=a』とします」
ふみみ「『a』はさっきの仮に答えがあるというものですね」
たぬぬ「はい。ではたしかめ算はどうなるかというと『a×0=0』」
ふみみ「うん、これなら『a』に入る数字がありますね」
たぬぬ「では、その数字は何個ありますか?」
ふみみ「えっと、全部の数字だから無限にありますね」
たぬぬ「はい、ここで『一意性』が崩れるんです。答えは『1つだけ』に反してしまうんです。数学では『不定』といいます」
ふみみ「なるほど、たくさんの答えが出てしまうことがマズかったんですね」
たぬぬ「そうなんです。数学で0で割ってはいけないというルールは結構難しいんです」
たぬぬ「昔のヨーロッパでは『0は悪魔の数字』として使用を禁止されていたことがあるらしいんです」
ふみみ「悪魔ですか、キリスト教圏らしいですね」
たぬぬ「しかし、『0で割り算をしない』という契約を悪魔と交わして『0』を使うようになった。契約を守らないと悪魔が魂を奪いに来る・・・といったお話があります」
ふみみ「『0で割ってはいけない』ということを、理由を説明せずにわからせるいい方法だと思いますよ」
たぬぬ「まぁ、小学校ではやらないですからね。せいぜい「アメ4個を0人にわける」みたいな例で不可能ってことをわからせるくらいです。それで十分だと思います」
ふみみ「そうですね。では今回はここで終わります。ありがとうございました。」
コメント
小学校からの謎がとけました。でも小学生の時、理由聞いてもわかんなかったと思います。
ありがとうございます。歳を重ねると論理的思考力が高まって、昔わからなかったことを理解できるようになる傾向にあります。小学生には『へー』と一瞬でも思ってもらえればいいと思って説明することもありますね(たぬぬ)
0で割っちゃいけない説明がめんどくさいから悪魔に押し付けたのかなと思いました。