~数学の授業でたぬぬが黒板に書いた図形から~
生徒「先生、その星って一筆書きしたけど、『六芒星』って一筆書きできるの?」
たぬぬ「『六芒星』って普段の会話に出てくるもんなんですね」
生徒「魔法陣とかによく出てくるよ」
たぬぬ「ああ、なるほど。えっとできますよ、こうです」
生徒「あ、ずるい!」
たぬぬ「一筆書きっていったのはアナタじゃないですか」
生徒「たんぼの『田』の字はできないの?書けたことないんだけど」
たぬぬ「それはできませんね。数学で説明がつきます」
生徒「(よし、雑談タイム)」
課題1:一筆書き出来る図形の条件とは
たぬぬ「この3つの図形は一筆書きできるか試してみましょう」
生徒「1番は出来たけど、2,3番はできない」
たぬぬ「なぜできないかな?」
生徒「行き止まりがある」
たぬぬ「どこで?」
生徒「どこって、いろんなところの『角』とか」
たぬぬ「いいところまでいけてます。注目するのは『点』と『線』です」
たぬぬ「六芒星も含めて、全部の交点に印をつけてみます。その印に『何本の線』が入ったり出たりしてるか見てみましょう」
たぬぬ「線の本数が偶数だけだったら『入って出ていく』ができますよね」
たぬぬ「じゃあ、奇数だったら?」
生徒「『入って出て入る』」
たぬぬ「そうです『出て入って出る』もできますね」
たぬぬ「行き止まりの場所って、『入って出て入る』になってませんか?」
生徒「あ、なってる」
たぬぬ「じゃあ、一筆書きできませんね。このように線が奇数の点はどっちかしかできないんです」
たぬぬ「だから『出て入って出る』からスタートして『入って出て入る』がゴールになるんですよ」
生徒「じゃあ、偶数は?」
たぬぬ「『入って出る』と『出て入る』の繰り返しだから必ず一筆書きできます」
生徒「じゃあ、交点に入る線が『偶数だけ』の場合は必ず一筆書きできるんだね」
たぬぬ「正解です。また、交点に入る線が『偶数』と『奇数の点が2個』の時も一筆書きできます」
たぬぬ「この場合、さっきも言った通り、奇数の点がスタートになりゴールになります」
生徒「でも、オリンピックのマークができない」
たぬぬ「答えは最後に言いますよ。で、このお話は昔からあり『ケーニヒスベルグの橋』が有名ですね、こんなのです」
たぬぬ「『同じ橋を2回渡らずに、すべての橋を渡ることはできるか』という問題ですね」
生徒「…んー」
たぬぬ「今日の話を応用すると、陸を『点』に橋を『線』に置き換えて、このように書けます」
生徒「あ、渡れない!」
たぬぬ「そういうことです。昔の数学者で『オイラー』という人が同じやり方で『できないことを証明』しました」
生徒「これも数学なの?」
たぬぬ「はい、『グラフ理論』といいます」
生徒「へー」
たぬぬ「じゃあ、余談はこれくらいにしましょう」
課題2:オリンピックマークの一筆書き
生徒「先生、オリンピックマークの答え!」
たぬぬ「あ、ええと、これです」
生徒「ズルいw」
交点に入る線が…
・『偶数のみ』の図形は一筆書き可能
・『偶数』と『奇数が二つ』の図形は一筆書き可能
・『奇数』の点が3個以上あったら一筆書き不可能
コメント
オリンピックのマークが一筆書できるなんてビックリです。でも、ちょっといびつな形になってしまいますね。六芒星は同じ位置からスタートして三角を2つ書けばきれいに書けますよ。
数学のテストのサービス問題で出ました。先に見ておいてよかったです!
お役に立てて何よりです。サービス問題を出してくれるなんていい先生ですね。
一筆書のパズルを作っています。問題の確認に便利ですね。
ありがとうございます。
ぜひJFさんのパズルもやってみたいです。