理科の記述問題は、用語や計算などを絡めて書かないといけないので、慣れていない生徒にとっては鬼門になっています。
そのため、記述問題自体を避けてしまうという悲しい結論を選択してしまう子もいますが、一つ二つでも解け始めると苦手意識がなくなってきます。
今日は、限定的ですが『流用できる魔法の言葉』を紹介したいと思います。
魔法の言葉とは
さて、魔法の言葉『表面積を大きくして効率よく〇〇する』ですが、この時点で15文字を使っています。それだけでも助かりますね。
この言葉は、特に生物の範囲で使えるんです。動物・植物ともに、生きてきた過程で様々な進化をしてきました。『体』という限られたスペースで生きていくには、様々なことを『効率化』する必要があったのでしょう。
では、使いどころはどこか説明していきます。
魔法の言葉の使いどころ
☆人体の小腸にある柔毛
☆人体の肺にある肺胞
☆植物の根の根毛
☆食べ物をよく噛んで食べる理由
最後の『食べ物をよく噛む理由』には、なかなか感心しました(理由は後述)。
そして、この他にも以下のようなものに使えます。
☆化学反応の速度
では、それぞれどのように使うのか見ていきましょう。
実際に魔法の言葉を使ってみた
このように、魔法の言葉と、キーワード『栄養を吸収する』を組み合わせただけで記述ができました。ほかの例についても考えてみましょう。
そのほかの記述例
☆人体の肺にある肺胞について
肺胞とは:人体の肺の中にあるもので、『血液中の酸素と二酸化炭素を交換』する役目がある。ブドウの房のように小さい球体が集まっている。
記述例:表面積を大きくして、効率よく酸素と二酸化炭素の交換をするため
☆植物の根の根毛
根毛とは:植物の根の先に生える細かい毛(根)のこと。土の中に入り込むことで自分の体を抜けにくくし、また土にある水分を吸収するもの
記述例:表面積を大きくして、効率よく水分を吸収するため
☆食べ物をよく噛んで食べる理由
食物をよく噛む(咀嚼)すると、食物がすりつぶされる、つまり表面積が大きくなるのです。唾液の中の消化酵素アミラーゼ(たんぱく質を糖に分解する作用)が食物と反応する面積が増え、効率よく分解ができるのです。
記述例:食物をすりつぶすことで表面積を大きくして、アミラーゼによるたんぱく質の分解の効率よくするため
☆植物の葉の付き方
植物は日光を浴びて光合成をします。日光を効率よく葉に当てるために、葉は下の葉とは角度を変えて生えてくるのです。
記述例:日の当たる表面積を大きくして、効率よく光合成をするため
☆化学反応の速度
記述例:表面積を大きくして、効率よく反応させるため
まとめ
このように、『表面積を大きくして効率よく〇〇する』という文を軸として、必要な説明や文言を追加することでいくつかの問題には対応できるようになります。特に長い文章ではないので、覚えておくとよいでしょう。
応用問題:小腸のつくりで、効率よく栄養を吸収するための工夫はどのようなものか?
解答:柔毛により、表面積を大きくしている
このような問題にも対応できるようになります。頑張ってください。
人物イラスト提供:アイキャッチャー様