ひろろ「植物の根から吸い上げた水が、気孔から放出されることを何というか」
生徒「蒸散です」
ひろろ「この役割は植物自身の体温を下げる働きがあります」
生徒「どうやって体温が下がるの?」
ひろろ「水が蒸発するときには『気化熱』というものが発生して、これは周りから熱を奪うんだ」
生徒「水が冷たいからじゃないんだね」
ひろろ「それもあるけどね。お風呂上りに濡れたままでいると体が冷えるでしょ、それも気化熱のせいなんだよ」
生徒「へえ」
ひろろ「で、蒸散は『気化熱』が発生して周りの熱を吸収する」
ひろろ「じゃあ、木の近くってちょっと涼しくなると思わない?」
生徒「あ!」
ひろろ「木陰が涼しいのはこの『蒸散』をしているからなんだよ」
ひろろ「だから、ビルや校舎の陰よりも、木陰の方が涼しいし、夏の森の中も涼しいんだ」
生徒「へぇぇ」
ひろろ「キャンプに行ったとき、昼間のテントはすぐ暑くなるんですよ。陰になるのは一緒なのにね」
生徒「テントは蒸散しないもんね」
ひろろ「じゃあ、ちょっと質問。蒸散をうまく利用しているものは何かあるかな?社会でも言葉だけは聞いたことあると思うけど」
生徒「気温関係だよね・・・地球温暖化?」
ひろろ「都会で問題になっているのは?」
生徒「ヒートアイランド現象・・・あ、『屋上緑化』だ」
ひろろ「そう、屋上緑化の利点で思い浮かぶのは、『熱の照り返しを防ぐ』だと思うけど、蒸散によって屋上の温度を下げることにもあるんだ」
ひろろ「そうすることで冷房も弱めに設定できる、冷房の熱が外に出るのを抑制できるんだよ」
生徒「なんか社会の授業みたい」
ひろろ「理科と社会、特に地理は関連性強いからね。意識しておいて損はないよ」
生徒「はぁい」
・木陰が涼しいのは植物の蒸散のおかげ