「捺印(なついん)」と「押印(おういん)」、「署名」と「記名」の違い

当塾では、簡単な資料などを事務作業として非常勤講師の方にやってもらっています。そんな中、はるる先生にお願いしていた夏期講習の申込書で判明した『捺印』『押印』の違いを見ていきましょう。

はるる先生
できた!夏期講習の申込書。確認してください。

たぬぬ
大体オッケーかな。細かいところは直して…おくけど…

はるる先生
けど?どうかしたんですか?

たぬぬ
ここ『記名と捺印願います』って言葉がね。『記名』『捺印』は一緒に使えないんだ

はるる先生
そうなの?丁寧な書き方だと思ったから書いたんだけど。

たぬぬ
うん、ここは『署名と捺印』って書くんだ。『記名と押印』でもいいけどね。

はるる先生
あ、それっていつも言ってる言葉の定義とかそんな問題?

たぬぬ
社会人になると教わるんだけどね。いい機会だから覚えといて。

はるる先生
うぃー(´・ω・)

※はるる先生は『元生徒』で現在大学生。知らないのも無理ありません。こんな風に仕事以外のことを教える、つまり昔の関係になるときには、こんな言葉遣いになります。そこがまたかわいいんですよ♪

「捺印」と「押印」の違い

まず、この二つの言葉は省略されているのです。

捺印:『署名捺印』の略
押印:『記名押印』の略

ということで、「捺印」と「押印」の違いは、『署名』『記名』の違いを考えればいいことがわかります。
では、この『署名』『記名』の違いについてみていきましょう。

「署名」と「記名」の違い

『署名』は辞書によると、本人であることや責任を明らかにするために、『自分が氏名を記す』こととあります。携帯電話の契約や契約変更の際に、名前を書いてくださいと言われることがありますよね。それが『署名』です。
署名は自筆で書くので、本人の筆圧やクセが出ます。筆跡鑑定などを行うと、その署名が本物か偽物かわかるので、法的拘束力が高い、信頼性のある本人確認になります。

『記名』は辞書によると『名前を書き記すこと』とあります。『署名』と同じと思われますが、実は『記名』『自筆でなくてもよい』のです。つまり、他人が書いても、印刷でも、ゴム印でもOKなのです。
だから、『記名のみ』の書類は法的に信頼性が低いと言えます。

はるる先生
なるほど、『署名』しないと『捺印』できないんですね。

たぬぬ
そういうこと。『署名捺印』は、本人確認の信頼性がとても高いんだ。

はるる先生
でも、『署名』できない人はどうするんですか?

たぬぬ
そういう時は『記名押印』『署名』と同じくらいの信頼性を持っていますので代用することがありますね。

信頼性はどうなるの?

身体的理由などにより、『文字を書くことが困難』なときに『署名』が必要になった場合、『記名押印』で代用することができる場合があります。

民事訴訟法
第二百二十八条 文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。
2 文書は、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは、真正に成立した公文書と推定する。
3 公文書の成立の真否について疑いがあるときは、裁判所は、職権で、当該官庁又は公署に照会をすることができる。
4 私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。
5 第二項及び第三項の規定は、外国の官庁又は公署の作成に係るものと認めるべき文書について準用する。(筆跡等の対照による証明)
商法
第三十二条 この法律の規定により署名すべき場合には、記名押印をもって、署名に代えることができる。

ただし、この場合、信頼性という意味では『署名捺印』には劣ります。信頼性の順序は以下の通りです。
署名捺印>署名>記名押印>記名

まとめ

『捺印』は、自筆で書いた名前(署名)にハンコを押すこと。
『押印』は、自筆以外で書かれた名前(記名)にハンコを押すこと。

細かい言葉の違いですが、社会人になってからは使い分けが必要になってきます。言葉を間違えるだけで、自分はおろか、会社組織の質も相手から疑われてしまう恐れがあります。
普段から、ちょっと疑問に思ったことはすぐに調べるクセを付けておきたいものですね。

人物イラスト提供:アイキャッチャー様

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コメント

  1. かとぅー より:

    事務の人から捺印をしてと言われたんですが、名前は書かなかった覚えがあります。あれは事務の人が間違えていたのかな。

    • jhs-teachers より:

      「ハンコちょうだい」を丁寧に言おうとした結果かもしれませんね。よくあることです。

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