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多くの小学校で出される夏休みの自由研究。皆さんは何をするでしょうか?
今回は自由研究で人気テーマの一つ『尿素の結晶』を紹介します。
結晶を作るまでの手順と、研究内容のヒントになるテーマを紹介します。
準備するもの
この実験で必要なものを紹介します。
1.尿素
これが無いと始まりませんね。ホームセンターの園芸コーナーで売っています。
1kg500円くらいでしょう。
小分けになっているものは高いし、失敗することも考慮すると1kgくらいあった方がよいでしょう。
2.洗濯糊
洗濯糊を使います。必ず『PVA』が入っているものにしてください。
『PVA』は『PVAL』と書かれていることもあり、正式名称『プロビニルアルコール』です。
糊の成分として使われているものです。
使用する量はほんの数滴です。
しかし、100均でも売っているので用意してください。
※なお、『アラビック糊』など、液体糊の成分もこの『PVA』です。使えるかどうかの評価実験をしてみるのも面白いですね。
3.食器用洗剤
液体の食器用洗剤を数滴使います。家にあるものでほぼ問題ないかと思います。
4.ろ紙
ろ紙なんてどこで手に入れたらいいのでしょう?
たまにホームセンターに売っていますが、今回は手に入らなかったので『コーヒーフィルター』で代用します。
水を吸い上げて、ある程度の強度があればよいのです。
5.入れ物
実験で使う容器です。小分けにできるタイプがいいでしょう。
私は100均で手に入れたフードパックを使いました。
6個入りなので実験がはかどります。
もちろん、家にあるお皿などでもいいのですが、比較する実験をしたいので条件をなるべく合わせたいですね。
6.下敷き
尿素の結晶は思いもよらぬ成長を遂げる場合があります。
容器からはみ出る場合もありますので、念のため下にひくものを用意するとよいでしょう。
机が汚れるのを防ぐこともできますし、実験環境の移動も簡単です。
今回の実験ではプラスチック製のバットを使いました。
これで、多少こぼれても安心です。
用意できないようであれば、せめて段ボールでもひいておくとよいでしょう。
竹串・つまようじ
竹串かつまようじがあれば便利です。竹串に液体を伝わせて分量を細かく量ったり、2,3滴を量るのにちょうどいいです。
実験の準備
ここでは実験の準備を紹介します。
自由研究では、どのように実験の準備をしたかも大切になります。
準備のやり方には実験の結果につながる意味があるのです。
結晶を作るのに必要な尿素水溶液の量は20gくらいなんです。
しかし、用意したのは200g以上。
同じ条件の水溶液を使うことで、条件を変えた時の影響がわかりやすくなります。
これを『対照実験』と言います。
なお、実験の結果や考え方は別の記事で紹介します。
コーヒーフィルターを工作する
結晶を作るためのベースとなります。
コーヒーフィルターで作りました。
コーヒーフィルターはそこそこ丈夫で液体をよく吸ってくれます。
他にも都合のいい材質は多々ありますが、安くて大量に手に入るので都合がよかったのです。
コーヒーフィルターを次のように丸めて……
2カ所をホッチキスで止めます。
すると、このようにコーンのような形になります。
これが尿素水溶液を吸い上げてくれます。吸い上げた尿素水溶液の水が蒸発して尿素が結晶化(再結晶)します。
尿素の飽和水溶液を作る
『飽和水溶液』というのは、もうそれ以上溶けないよというところまで物質(溶質)を溶かした液体のことです。
飽和水溶液になったかどうかは、それ以上溶けなくなったかどうかで判断できます。
しかし、このどこまで溶けるかという『溶解度』は水温が上がると増えていくのです。
尿素の場合、20℃の水には108g溶けますが、40℃の水になると167g溶けるようになります。
尿素と水の重さを量る
ペットボトルを利用して、水100gに尿素110g溶かします。
ペットボトルの重さを差し引いて…
2g多くなってしまいましたが問題ないでしょう。
ここに水100gを入れていきます。これ……溶けるかなぁ?と心配になりますが、大丈夫、溶けます!
ペットボトルなど、口の狭いものに水を入れるときは、『竹串』を活用するとよいでしょう。
尿素と水を混ぜる
さぁ、あとは尿素と水を混ぜるだけです。ご機嫌にペットボトルをふりましょう!
と、ここで面白い現象が起きます。
なんと、ペットボトルが冷たくなるのです。
これは『吸熱反応』と言って、尿素が水に溶ける時、周りの熱を奪うのです。
となると問題が一つ。
『溶解度』は温度が上がると大きくなりますが、温度が下がると小さくなる、つまり『溶けにくく』なるのです。
なので、こうやって4~50℃のお湯で温めながら溶かす必要があります。
お風呂に入りながら溶かすのもいいですが、こぼさないように気を付けてください。
実験用の容器に液を注ぐ
今回は『対照実験』を行いたいので、条件の違いは『ひとつだけ』にしたいのです。
尿素を溶かした「溶液」も条件を同じにするため、一度に作りました。
この溶液を小分けにします。
もちろん、量も同じにしたいので重さを合わせます。
容器の底から5mmくらいあればよいでしょう。
今回の容器だと20gくらいです。容器の大きさに合わせてください。
実験開始
小分けにした尿素水溶液に必要なものを入れていきましょう。
今回、追加で入れるものは『洗濯のり』と『洗剤』です。
これらがどのような役割をするか確かめます。
実験する液の作成
今回は次の6種類を用意しました。
2:尿素水溶液+洗濯のり
3:尿素水溶液+洗剤
4:尿素水溶液のみ
5:尿素水溶液+洗濯のり(2倍)+洗剤
6:尿素水溶液+洗濯のり+洗剤(2倍)
1番の液を基本としています。その配合は以下の通りです。
洗濯のり:3滴
洗剤:3滴
5,6番の『2倍』には6滴入っていることになります。
実験の意図
2:尿素水溶液+洗濯のり
3:尿素水溶液+洗剤
4:尿素水溶液のみ
5:尿素水溶液+洗濯のり(2倍)+洗剤
6:尿素水溶液+洗濯のり+洗剤(2倍)
この6種類を比較していろいろ考えられます。
例えば、1と2を比較することで洗剤の効果が推測できます。
1と3なら洗濯のりの効果ですね。
1と5なら洗濯のりの量でどのような変化が起こるか観察できます。
水溶液にコーンを入れる
最後に水溶液にコーンを入れて実験の準備は完了です。
見分けがつくように付箋紙などを貼り付けておきましょう。
ひと段落
ここでひと段落付きます。
晴れた日なら数時間で小さな結晶が確認できるはずです。
1日経ったあたりから目に見えて違いが見えてくるはずです。
なお、雨の日は結晶ができにくいですね。
蒸発する水分の量が少なくなることが原因です。
次回は、この実験で出来た結晶を紹介します。
人物イラスト提供:アイキャッチャー様
コメント
一番最初にある画像のかき氷見たいなものも尿素なんですか?
どうやって作ったのか知りたいです。