『揚水発電』これは水力発電の一種となります。
普通、水力発電は『ダム』で行い、この揚水発電もダムで行うのですが、その仕組みが少し違います。
※写真は、京都府宇治市にある『天ケ瀬ダム』。対岸の山の上に揚水ダムの『喜撰山ダム』があります。
揚水発電とは
普通のダムは、『川をせき止めて』溜まった水を使うのに対し、揚水発電では『貯水池を作って』溜めた水を使うという違いがあります。
揚水発電の施設にはいくつかの種類がありますが、主には下の貯水池から水を組み上げて発電するという仕組みになります。
揚水発電はエネルギーの無駄なのか?
『エネルギー保存の法則』というものがあります。
この法則で考えると、水を組み上げる電力と、その水で発電した電力はイコールになり、新たな電力は作られてないことになります。
また、引き上げるときの『抵抗』でむしろエネルギー的には損をしてしまいます。
社会生活を送るうえで、主に活動するのは『昼』です。
特に夏場、昼間は学校や会社・商業施設などで大量の電力を消費します。
そのため、火力発電所や原子力発電所で膨大な量の電力が作られます。
そして、夜になると電力消費量が少なくなります。
しかし、巨大な火力発電所や原子力発電所では、すぐに対応できないのです。
一定の速度で動かす方が効率もいいですし、機械にも負担をあたえないからです。
つまり、夜間でも一定の発電はしているということですね。
夜間の使い切れていない電力は無駄になってしまいます。
その電力を使って揚水発電の準備をします。
夜間の使いきれない電力(余剰電力)を使って、上の貯水池に水を汲み上げるのです。
そして、電力消費量が多くなる昼間に、汲み上げた水を使って発電するというわけです。
まとめ
揚水発電は電力的にみるとエネルギーを無駄にしているようですが、社会生活のことを踏まえると現状効率的な仕組みとなります。
もちろん、今後の技術革新などでさらに効率的な技術が出てくるかもしれません。
夜間の余剰電力を電力のまま蓄えておける仕組みや、発電量の急激な変化に対応する発電所などですね。
電気を使わない生活はもはや現実的ではありません。せめて、節電を意識するよう心がけたいものです。
人物イラスト提供:アイキャッチャー様