「がじゃいも」「とうもころし」「ぶっころり」……声に出して読んでみてください。
それぞれ「じゃがいも」「とうもろこし」「ブロッコリー」のことだとわかるでしょう。
近所の子が「がじゃいも♪がじゃいも♪」などと歌っていたのをみて微笑ましく思っていました。
そういえば、映画「となりのトトロ」でもメイちゃんが「とうもころし~♪」なんて言ってましたね。
単語を少し間違ってしまうこの現象、『音位転換』という名前がついています。
なぜ「音位転換」が起こるのか?
この音位転換が起こる理由はいくつかあるのですが、一番に挙げるとしたらやはり『いいにくさ』でしょう。
発音しにくい音が並んでいて、入れ替えたら発音しやすくなる。
幼児が言葉を覚える時もこの現象が起きていると考えられます。
「とうもろこし」を例にしてみます。
もともとは「とうもろこし」ですが、音位転換が発生すると「とうもころし」となります。
試しに「もろ」と10回言ってみてください。
次に「もこ」と10回言ってみてください。
若干「もこ」の方が言いやすいはずです。
「も」の発音は唇を一回閉じなければなりません。
また「ろ」の発音は口の中で舌を上あごに触れさせる必要があります。
対して「こ」は特に口の中を動かさなくても発音できます。
発音は「もこ」の方がしやすいですね。
音位転換した後の言葉が認知されて正しい日本語として定着するものもあります。
「音位転換」から生まれた言葉
例として、「新」を考えてみます。
「新しい」と書けば「あたらしい」ですが、「新たに」と書くと「あらたに」となり、「た」と「ら」が入れ替わってますね。
確かに「あたらに」は発音しにくいです。
これは音位転換が起きたうえで、正しい言葉として認知された例です。
言葉は生き物と言われています。
そのうち、「雰囲気(ふんいき)」も「ふいんき」となってしまうかもしれません。
音位転換は楽しめる
教育を仕事にしている以上、正しい日本語を教える立場にあるのですが、正しい日本語がわかっているならば、あえて音位転換をさせた言葉を使うという言葉遊びができます。
音位転換して響きがかわいかったら商品名などにも使えますね。
人物イラスト提供:アイキャッチャー様
コメント
子供が小さいときに言葉を間違えてるそのままでした。
がじゃいもは子供が言ったらかわいいですね。
それにしても、名前がついていることに驚きです。
一つ賢くなりました。ありがとうございます。