「てもちぶさた」か「てもちぶたさ」。どっちが正しい?

当塾の特に数学の授業では、問題演習の際に速く解けてしまう生徒もいることから、暇な時間をなくすために計算プリントを用意しています。
その中で出会った日本語に対する一コマを紹介します。

たぬぬ
じゃあ、問題を実際に解いてみようね。『てもちぶさた』にならないよう、いつも通りできた人は計算プリントをやりましょう。

生徒
先生、『てもちぶたさ』ではないのですか?

たぬぬ
え?

生徒
『てもちぶたさ』じゃないかなと思って。『てもちぶさた』って言ったから。

たぬぬ
ああ、なるほどね。これね、『てもちぶさた』が正解なんだよ。漢字で書いたら変わりやすいかな?

生徒
ああ、これは脱線タイムかな……

『てもちぶさた』の意味

まず、『てもちぶさた』を漢字で書いてみるとこうなります。

『手持ち無沙汰』

これはいくつかの単語に分けることができます。
「手持ち」+「無」+「沙汰」ですね。

ここで、「沙汰」とは何か?
「沙汰」とは簡単に言うと、「何かすること」になります。
特に善悪の判断や決定ごとの連絡と言ったときによく使われます。

つまり、「手持ち無沙汰」は、「手持ち」の「沙汰」が「無い」となり、簡単にしてしまうと「やることがない」状態のことを表します。

「沙汰」を使う言葉

では、あまり聞き慣れない「沙汰」という言葉。
日常で使われる他の例はあるのでしょうか?

たぬぬ
有名なのは「地獄の沙汰も金次第」ですね。

生徒
色恋沙汰(いろこいざた)もそうでしょ?

たぬぬ
はい、そうです。他に何かありますか?

生徒
警察沙汰(けいさつざた)?

たぬぬ
はい、でも警察沙汰になるのはやめてくださいね。塾にも連絡来ることありますから(過去にありました)。

生徒
時代劇で聞いたことあるような…

たぬぬ
追って沙汰あるまで……ですよね。これは奉行所からの連絡を待てということですね。

たぬぬ
他には話題に上がるという意味で「取り沙汰される(とりざたされる)」というのもあります。結構あるもんでしょ?

時代劇の例が上がったのは、よく授業中に悪代官の真似をしていたからでしょう。
興味を持ってくれるのはいいことです。

さいごに

「てもちぶたさ」と間違えてしまう理由の一つに発音しやすいというのがあるでしょう。
「雰囲気」を「ふいんき」、「とうもろこし」を「とうもころし」と言ってしまう音位転換という現象です。

幼児語ってたまに響きがかわいいですよね。我が家でも「ジャガイモ」は「がじゃいも」、「ブロッコリー」は「ぶっころり」で通じます。これらは「音位転換」という現象が起きています。そして、「音位転換」した結果、定着してしまった言葉もあります。

また、「てもちブタさん」なんてかわいいブタのイラストがあったりするかも知れません。
日本語は日に日に変化していくものだと考えてます。
音位転換によって、「てもちぶたさ」でも良くなる未来が無いとは言い切れません。
大事なのは正しい言葉を知ったうえで、時代の流れに柔軟に乗っていくことです。

かなな先生
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人物イラスト提供:アイキャッチャー様

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