中学3年生で勉強することになっている『循環小数』。
実はこれは「分数」で表すことができます。
今回はそのやり方を「中学生向け」と「高校生理系向け」で説明します。
循環小数とは
先も紹介しましたが、循環小数とはある桁から延々と同じ数字の並びが続く小数のことです。
0.333333……
0.191919……
0.237237……
0.237777……
1つ目は”3”が、2つ目は”19”が、3つ目は”237”が延々と続いております。
4つ目は少し変わっていますが、”0.23”の後に”7”が延々と続いています。
小数点第一位から始まる循環小数(1~3つ目)を『純循環小数』、小数点第二位以降から始まる循環小数(4つ目)を『混合循環小数』と言います。
延々と無限に数字が続きますが、循環小数は『分数』で表すことができるため、『有理数』に分類されます。
循環小数を表記する方法は、循環部分(循環節)の上に黒丸を書きます。
中学生向けの解き方
“0.333…”を例にとります。
まず、”x=0.333…”(式1)とします。
次に両辺を10倍して、”10x=3.333…”(式2)とします。
そして、式2から式1を引きます。
循環小数部分は延々と3が続いて終わりがないので、全く同じと考えると消えてしまい”9x=3”という方程式が残ります。
これを解くと”x=1/3”となり、最初に”x=0.333…”としたので、”0.333…=1/3”となります。
『3が続いて終わりがないので、全く同じと考える』の部分がちょっと納得がいかない人もいるでしょうが、とりあえずこの方法(場合によっては100倍・1000倍)で循環小数は分数にできます。
例)0.237237……の場合
高校生理系向けの解き方
『3が続いて終わりがないので、全く同じと考える』の部分がもやもやする方もいらっしゃるかと思います。
これを解決するために高校数3の範囲で習う『無限等比級数』を利用してみます。
無限等比級数を使うと、「3が続いて終わりがない」を数式でそれっぽく表現できます。
次の画像は授業での板書の一部です。
“0.333…=0.3+0.03+0.003+…=3×(0.1+0.01+0.001+…”と考える所がポイントですね。
後はカッコ内を考えやすいように分数にして、初項1/10、公比1/10の数列と考えてしまえば公式で出てきてしまいます。
さいごに
循環小数が有理数である説明をするにはどうしても必要な確認ですが、中学生にはなかなかしっくりこないようです。
疑問や違和感を覚えたらとことん先生に確認してみましょう。
学校の先生は忙しくて申し訳なくなるかもしれませんが、数学が好きな先生なら仕事よりも優先して教えてくれるでしょう(現実逃避ともいいますw)。
疑問や違和感は将来のあなたの糧になります。
人物イラスト提供:アイキャッチャー様