2019年10月1日より消費税10%となりました。
これまでより支払額が増える……
かと思いきや、食料品に関しては8%のままであったりと結構ややこしくなります。
特に学生さんなど、手持ちのお金で支払えるのか心配になることもあるでしょう。
そんな時は、8%を無視して10%で計算してしまえばいいのです。
計算間違いがない限り、計算結果より増えることはありません。
そして、この10%増しという計算方法。
実はコツさえつかめば簡単に暗算で出来てしまいます。
今回はその方法を紹介します。
消費税10%の計算方法
まずは消費税10%増しの金額を出す方法を考えてみましょう。
8%の計算よりも10%の計算の方がはるかに楽になります。
「10%増し」の計算方法は、まず元の値段を「100%」とします。
次に元の値段の「10%分」を計算します。
最後に元の値段に「10%分」を加えれば完了です。
「10%」は「100%」の「1/10(十分の一)」です。計算の時はパーセントの数字を使うのではなく、1/10もしくは小数にして「0.1」を使います。
10%増しの算数的手法その1
まずは10%の量を出して、もとの量に加える方法を説明します。
280円を例にとると、まず全体の100%は280円ですね。
その10%は……
280×0.1=28
となり、28円です。これを元の金額に加えると……
280+28=308
となり、280円の10%増しは308円となります。
10%増しの算数的手法その2
続いてかけ算を使う方法です。もとの量を100%とすると、10%増しは110%になります。110%を分数にすると「110/100(百十分の百)」、小数にすると「1.1」となります。もとの量にこの数字をかけ算しましょう。
同じく280円を例にとると……
280×1.1=308
となり、280円の110%は308円となります。
10%の簡単な計算方法
「10%増しの算数的手法その1」を応用します。
実は全体の10%の値を出すのは簡単です。
桁を一つ下げればよいだけです。
135円を例にとると、桁を一つ下げたら13.5円。
小数点以下は大体の店で切り捨てますので、「13円」です。
別の考え方をすると、「135」の一の位を「無視」すればよいのです。
あとは「135+13」を暗算すればよいのですが……
普通の計算方法
135円に消費税10%をかけてみましょう。
くりあがりがないから、まだ暗算しやすいですね。
筆算にするとこうなります。
小数点以下は切り捨てるので「148円」という答えが出てきます。
特殊な条件の「暗算」ができればよい
筆算ならできるけど暗算が苦手、という人は数多くいるでしょう。
ただ、今回必要となってくる暗算は状況が結構特殊なのです。
この筆算を見てもらえばわかるように、足される数・足す数に出てくる数字は同じものです。
また、一桁ずらしているだけなので、足す数と足される数は『並んでいる』状態にあります。
これが「特殊な条件」です。普段の計算ではありえない手法を使います。
もう一つ条件を加えます。
『小数点以下』は計算後に省略するのではなく、『計算前』に省略してしまいます。
これからやる計算のポイントは……
〇1桁+1桁の暗算ができること
〇くりあがりの「有無」を覚えること
〇コツをつかむのにちょっと練習が必要
では、実際に計算をしてみましょう。
1.十の位と一の位をたし算する
筆算を見てもらえばわかる通り、計算後の一の位は「5+3」をしています。
これは足される数の「十の位」と「一の位」です。
一桁ずらして計算しているのでこのような位置関係になります。
であるならば、このように元の数の「135」の十の位と一の位を足してしまえばいいのです。
その答えが、計算後の一の位となります。
なお、「くりあがり」が発生するときの説明は下の方で行います。
2.百の位と十の位をたし算する
同じ理屈で計算後の十の位は足される数の「百の位」と「十の位」を足したものです。
3.百の位の判断
百の位の数字はくりあがりの「有無」で変わります。
くりあがりがなければ「そのまま」、くりあがりがあれば「1を足す」の2通りです。
特に計算は必要なく、「そのまま」か「1を足す」かだけで終わってしまうのです。
計算の流れを図で確認してみると……
このようになります。くりあがりがないとかなり簡単に済みます。
イメージを図示してみるとこのようになります。
元の数字を覚えていれば、最初の計算「3+5=8」の結果を忘れていてもすぐに計算しなおすことができます。
では次はくりあがりがある場合です。
くりあがりがある場合
くりあがりがある場合は、上記の作業に加えて「くりあがりがあった」ことを覚えておくだけです。
頭の中のイメージはこのような感じです。
さいごに
ちょっとだけ考え方のコツがいる計算方法ですが、慣れるとすぐにできるようになります。
小学生の生徒に教えてみたところ、授業中内でほとんどの子が出来るようになりました。
計算というよりも「パズル」として認識しているようです。
消費税10%ともなれば、10%増しの計算はよく出てきます。
ならば、効率化された計算方法には需要があるはずです。
覚えていて損はないと思いますので、頭の体操がてら試してみてください。
人物イラスト提供:アイキャッチャー様