それでは、皆既月食が赤くなる理由について、『光の性質』と『光の屈折』の2点を抑えていきましょう。
7月27日の月食
7月27日早朝、西日本を中心に皆既月食が観測されます。
月が欠け始める『部分食』の始まりが午前3時24分12秒。
月がすべて隠れる『皆既食』の始まりが午前4時30分00秒。
月が一番隠れる『食の最大』が午前5時21分42秒。
月が沈む『月の入り』が4時半~6時(北の方が早い)と、そもそも『皆既食』の観測ができない地域も出てきます。
また、日の出の時間も近いことから、空は次第に明るくなるため、『皆既食』の観測が困難になることが予想されます。
詳しい観測可能な時間や地域は国立天文台のサイトにどうぞ
リンク:国立天文台-皆既月食(2018年7月28日)
光の性質と夕焼けの関係
この波長の長さは『レイリー散乱』という現象を説明しないといけないのですが、難しいので省略します。
ものすごく簡単に言うと、空気を通過するとき波長が『長ければ遠くまで』届き、『短ければすぐに散乱する』。
例を挙げてみましょう。昼間、空は青いですね。
これは『可視光線』が空気の層に入ってすぐ、『青色の光』を発散させてしまうからなんです。これが昼の空が青い理由です。
対して夕方。光が斜めに入ってきて空気の層を多く通ります。
青い光は早々に発散してしまい、波長の長い『赤い光』が届くようになります。これが、夕焼けの原因です。
地球の空気の層で光の屈折が起こる
光が材質の違う二つの物質間を通るとき、『屈折』という現象が起きます。
中学では、『空気と水』や『空気とガラス』などでテストに出ることが多いですね。
さらに、凸レンズの実験では、直進した光が2回屈折することで、反対側の焦点を通るようになることも勉強しました。
地球規模で考えてみると、太陽光が地球の『空気の層』を通ることで2回屈折をします。
この通り、本来ならば地球の影になってしまい届かない太陽の光も『屈折』することで月に届きます。
さらには、『空気の層』を通過するので、波長の長い『赤い光』が多く届くのです。
まとめ
皆既日食の時に見える赤い月は、光の『性質と屈折』が関係していることがわかりました。
これにより、月で反射される『赤い光』が地球から観測されるので『赤い月』が見られるのですね。
古来ヨーロッパなどで『赤い月は不幸の元凶』などと言われていましたが、こちらは地表付近に見えている月、つまり、夕焼けと同じ原理となります。
なお、次回の皆既月食は2021年5月26日に起こります。日本全国で観察することができますが、地域によっては月が昇ってきたときに、すでに部分食が始まっている『月出帯食』となります。今回を見逃すと3年後となってしまいますので、朝早いですが、ぜひ見たいですね。
人物イラスト提供:アイキャッチャー様
コメント
夏休みなので徹夜してみてみます。
普段できない徹夜はワクワクしますね。慣れない徹夜は結構体に負担がかかります。そして、最近は夜も暑いです。熱中症の症状が出やすく・気づきにくくなるので水分補給を忘れないでください。ついでに、徹夜での勉強にもチャレンジしてみませんか?習慣にすると悪影響しかないのですが、たまにやると非日常の体験ができて、その体験で得た知識は強く残るものです。
徹夜して見ようと思ったのに寝てしまった。月は赤かったですか?