日本の選挙の仕組み
国や地方自治体(県・市町村)の行く末を託す政治家を住民が決めるための手段として選挙が行われます。日本で行われている選挙には大きく3つの制度があります。
小選挙区制
おそらく一番馴染みがあり、わかりやすい選挙です。
定められた選挙区内で、複数の候補者に対して『ただ一人』を選ぶ際に使われます。当然、得票数が一番多い人が当選となります。
国会における『衆議院議員』、地方自治体の首長(都道府県知事・市町村長)を決める選挙で使われます。
大選挙区制
定められた選挙区内で、複数の候補者に対して『複数人』を選ぶ際に使われます。
当選する人が複数人、例えば10人に対して、立候補者が15人いると、得票数順に10人までが当選します。
地方自治体に所属する議員(都道府県会議員・市町村長議員)を決める選挙で使われます。
比例代表制
これは、ちょっとわかりにくい仕組みです。
投票先は、政党(衆議院・参議院)もしくは政党に所属する個人(参議院)です。各政党の得票数に『比例』して、議席を配分する制度です。
国会における『衆議院議員』『参議院議員』を決める選挙で使われます。
なお、日本の衆議院議員を決める選挙は、小選挙区制と比例代表制を並立させた、『小選挙区比例代表並立制』を取り入れています。そのままの名前ですね、中学公民のテストでも出るので覚えておきましょう。
得票数が同じになることってあるの?
たしかに、国政選挙のように有権者が数万人単位でいて、一人を選ぶ場合はかなり小さな確率になりますね。
しかし、『地方議会の大選挙区』だったらどうでしょうか?しかも、有権者の少ない地域だったらどうでしょう?
例を挙げると、『2015年北海道遠別町』の市議会議員選挙。トップ当選の方が『396票』。末席ながら当選された方が『132票』でした。実は、132票取った方が二人いたのです。
有権者数が少なく大選挙区制の場合、特に最後の1議席分で得票数に差がつかない場合が出てきます。
参考:遠別町議会議員選挙 選挙結果(選挙ドットコム様)
得票数が同じになった場合はどうするの?
公職選挙法には『当選人を定めるに当り得票数が同じであるときは、選挙会において、選挙長がくじで定める』と記載があります。
どのようなくじが使われるかは、自治体によって様々ですが、多くは棒の先に1~10のように数字を書いた『棒くじ』を使い、小さい数字を引いたほうが当選とするようです。
なお、くじ引きする順番を決める『予備抽選』なるものを定めている自治体もあります。
まとめ
得票数が同じになった場合は『クジ引き』で決めるという法律があったんですね。
実際にクジ引きで落選してしまった人のコメントとして『1票の重みを痛烈に感じた』というものがあります。
18歳から選挙権が与えられるようになり、高校生のうちに選挙を経験する人も出てくると思います。
『1票』の重みを少しでも感じていただけたら幸いです。
人物イラスト提供:アイキャッチャー様