am not と This is の短縮形はなぜないのか?

Be動詞の短縮形の授業で出た質問です。

「are not」を「aren’t」、「is not」を「isn’t」と短縮するのに、なぜ「am not」を「amn’t(アムント)」と略さないのか?

「This is」を「This’s」と短縮しないのかも併せて説明したので紹介いたします。

「amn’t」とは短縮しない理由

問題:He is not a teacher.を短縮形を使って書きなさい
答1:He isn’t a teacher.
答2:He’s not a teacher.
問題:I am not Tom.を短縮形を使って書きなさい
答え:I’m not Tom.

生徒
I amn’t Tom.では駄目なのですか?

けるる先生
だめですね。amn’tとは短縮しません。

生徒
なんで?

けるる先生
言いにくいから、使わないんですよ。

生徒
えぇ~……

発音をカタカナで書いてみると、「アムント」。

「ム」は口を閉じて鼻から出す音になっているはずです。

続く「ン」も口を閉じて鼻から出す音です。

これは鼻をつまんで発音してみるとよくわかります。

「ア」と「ト」はつまんでいる指が震えないけど、「ム」と「ン」は指が震えます。

この鼻から出す音が連続すると発音しにくいのです。

短縮形はその名の通り、『短くして』話しやすくするものです。

話しにくい「アムント」は使われなくなったのです。

けるる先生
ただ、地方の言葉……方言って言ったらいいでしょうか、アイルランドやイギリス北部(スコットランド)では「amn’t」を使う人がいますね。

生徒
じゃあいいジャン!

けるる先生
みんなが習っている英語は『アメリカの標準的な英語』ですからね。基本をまず定着させましょう。方言は趣味や仕事でどうしても必要な時に覚えたらいいですよ。

全世界の学校の日本語学科で関西弁を教えているようなもんです。

それはそれで楽しいかもしれませんが、一番無難に日本語を勉強するならやっぱり『標準語』ですよね。

「This’s」とは短縮しない理由

けるる先生
もうひとつ短縮形が無いと疑問に感じる有名なフレーズは無いですか?

生徒
「This is」だ。なんで「ズィスズ(This’s)」って短縮しないの?

けるる先生
自分で言っててわかりそうなものですが、「ズィスズ」って言いにくくなかった?

生徒
……言いにくい

けるる先生
「This is」の例のほうがわかりやすかったですね。こちらも言いにくいから使われなくなったのです。

実際、昔の英語では存在していたようですし、シェイクスピアの一説にも使われていました。

ただ、こちらも発音しにくいので消えていった表現となります。

また「This is」は「ズィ スイーズ」と「This」の途中で軽く区切って「is」まで繋げやすい(発音しやすい)ので、「This’s」を使うメリットが全くないと言ってもいいのです。

まとめ

英語は基本的に早口で1分間に200語は使います。

発音しやすいように音が繋がったり(リエゾン)や、音が消えてしまう(リダクション)があります。

このような背景から発音しにくい表現は消えていったのですね。

リエゾンの例:an orange(アン オランジ →アノランジ)
リダクションの例:good job(グッド ジョブ→グッジョブ
かなな先生
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人物イラスト提供:アイキャッチャー様

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コメント

  1. ヒカル より:

    実際に発音してみて言いにくさを実感しました。学校で習った覚えがないので役に立ちます。

  2. 匿名 より:

    英語にも方言ってあるんだ。普通の英語ですらできないのにアメリカ言ったらどうなるんだろう。なんとかなりますか?

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