円柱の体積は簡単なんです。
たいていの場合、底面積を求めるための「半径」、体積を求めるための「高さ」が示されていますから。
問題は『表面積』。
こちらに苦労される方が多いのです。
円柱の表面積
円柱の表面積を求める問題を苦手と感じている人が多い理由のトップは「側面積」の求め方でしょう。
※次点は底面積を「2面分」足さずに間違えてしまうパターンかと。
表面積を求める基本は「展開図で考える」ことなのです。
しかし、円柱の場合はもうひと手間かけないといけません。
円柱の展開図
では、底面の半径が5cm、高さが7cmの円柱で考えてみましょう。
底面積はすぐに出てきますね。
※”π”と表示されている箇所はすべて円周率を表す「パイ」です。
では、「側面積」ですが、まずは展開図を確認します。
この通り、側面積部分は「長方形」になります。
縦にあたるところは、元の円柱の「高さ」なので7cmですね。
問題は横にあたるところ。
長さがわかりませんね。
この横の長さを計算で出さないといけません。
側面の「横」の長さを求める
展開図にした際、側面の「横」にあたる部分の長さを求める方法。
ここが、円柱の表面積の鬼門になります。
しかし、言い換えればここさえ出来たら後は簡単なんですよ。
では、横の長さの求め方ですが、これは円柱の「底面」を利用します。
この横にあたる部分ですが、もともとは円柱の底面に「ぴったりとくっついて」いたはずです。
つまり、横の部分の長さは「底面の円周の長さ」と同じというわけです。
底面の円周の長さを求めてみると
この「10π」が展開図における側面の横の長さになります。
よって、側面積は…
となります。
円柱の表面積を求める
最後の仕上げです。
算出した「底面積」と「側面積」を加えて「表面積」を求めましょう。
ここで一つ落とし穴があります。
円柱の場合、底面は上下「2面」あります。
つまり、求める式は次のようになります。
(表面積)=(底面積)×2 + (側面積)
「底面積」を2倍するのを忘れる人が多いので気を付けてください。
※「底面積」を2回足すと考えてもよいでしょう。
よって、今回の表面積は…
となります。
さいごに
円柱の表面積は、「側面の横の長さ」と「底面を2面加える事」がポイントになります。
しかし、「側面の横の長さ」の出し方だけを覚えていると、そのうち忘れてしまします。
だから、理屈を一緒に考えてください。
「側面の横の長さは、元の円柱の底面の円周、それはもともとぴったりとくっついていたから……」
問題を解くときに、このセリフをつぶやきながら解くようにしましょう。
人物イラスト提供:アイキャッチャー様