中学英語を教えていると、必ず聞かれるのが「冠詞」を付ける必要はあるのか?
実は、冠詞のあるなしで全く文章の意味が変わってしまうこともあるのです。
今回は、かなな先生の授業の一コマからの紹介です。
冠詞は必要なのか?
生徒「先生!単語の前に『a』がついてません。」
かなな「あ、いいところに気が付きましたね。これを見てみましょう」
『I go to school』 『I go to a school』
かなな「これは両方とも『学校へ行く』という訳なんですが、意味が少し違います」
かなな「ではみなさん、『school』の絵を描いてみてください」
かなな「全員、校舎の絵を描いてくれましたね。これが日本人の感覚です」
生徒「日本人の感覚?」
かなな「そう、英語圏の人は『school』と言っても校舎を連想しないんです」
かなな「校舎を連想させるには『a school』と伝えるんですよ」
生徒「『a』がつくと校舎って訳になるの?」
かなな「というか、『a』をつけると、数えられる物と考えるんです。校舎は数えられますね」
かなな「『school』は『学校生活全般』という概念と考えてもらえればいいですね。」
かなな「『a』がついたら『ものの形が見える』、つかなかったら『考え方・概念』ととる。これが英語圏の人の感覚なんです」
生徒「でも、感覚で勉強するなってひろろ先生言ってましたよ」
かなな「たぶん、それは数学の話ですね。英語は言葉だし文化も関係するので、『英語を使う人の感覚』ってのが大事になるんです」
生徒「ふーん」
かなな「では、学校生活ってどんなものがありますか?」
生徒「えっと、授業や部活かな」
生徒「給食や休み時間!」
かなな「いいですね、それ全部あわせて『school』なんです。数えられますか?」
生徒「数えられ・・・ないな」
かなな「みんなが、学校に行く!というときは、ほぼ学校生活をしにいくわけですよね」
かなな「授業、部活、給食となんだっけ?そういった行動を含めて『学校に行く!』と言っているので、『I go to school』という言い方になります。」
生徒「じゃあ、忘れ物を取りに行ったりするときとかは違うの?」
かなな「その場合は『I go to the school』とかいいますね」
生徒「『the』?」
かなな「じゃあ、次回は『a』『the』の違いをやりましょう。」
生徒「はぁい」
★今日のまとめ ・英語を学ぶときは『英語の感覚』が大事になる。 ・『a』がつくと『ものの形が見える』感覚 ・『a』がないと『目的や概念』と言った考え方になる感覚 I go to school. ⇒私は(勉強など学校生活をするために)学校に行く。 I go to a(the) school. ⇒私は(場所・建物としての)学校に行く。